フクしょうゆ
フク醤油株式会社
 我が会社は大正7年現在地に於いて呱々の声を上げ、福井醤油醸造株式会社の名の下に生産を開始しました。
その頃、市内に於いて頻繁に発生した大火が一因となって7企業の有志が大同団結し、謂ゆる家業的で手工業の生産形態から近代的な生産経営を目指し、大阪直税庁の指導のもとに、品質優秀な醤油を工業的に大量生産し、県下醤油業界の発展と県民の食生活向上に貢献するを期し、当時としては大英断をもって発足したのであります。
  ○大正7年 福井醤油醸造株式会社設立。資本金5万円にて創業開始す。初代社長に林繁秋就任す。

  福井醤油醸造株式会社創立総会決議録(原文のまま)
大正7年7月15日午前拾壱時参拾五分 福井税務署楼上二於テ開会ス。出席人員弐拾壱名 此ノ持株数八百五拾株ニシテ創立委員長林繁秋議長席二就キ開会ヲ宣ス林議長「潜越乍ラ発起人一同ヲ代表シ創立ノ経過報告旁々御挨拶ヲ申上ゲマス 本会社創立ノ根本二遡リテ御話申セバ随分長フ御座イマスカラ簡単二申上ゲマス 抑モ当会社ノ創立ヲ計画セルハ本年弐月醤油組合福井支部総会開会ノ際ニシテ近来各種工業ノ進運著ルシキモノアルニ拘ラズ独リ 福井県ノ醤油醸造業ハ全国各地二比シ甚ダシク遜色アリ且ツ各製造家ハ何レモ小資本ヲ擁シテ競争シツツアルヲ以ッテ十年以前卜比較シ何等発展スル所ナキガ之レ当業者ノ不熱心或ハ時代ニ適応セル設備及ビ技術ノ改善ヲ講ゼザル結果に基クモノナラントノ問題出デ此ノ際各製造家ヲ統一シ優良ナル製品ヲ出シテハ如何トノ意見ヲ提唱スルモノアリ・・・以下省略」
   福井醤油醸造株式会社創立総会
   議  長    林 繁秋
   議事録署名員  斉藤 億平
   同  上    前川平四郎

 大正7年7月15日
 カクシテ福井醤油醸造株式会社が設立サレ次ノ役員ガ選出サレマシタ
 取締役社長  林 繁秋
 専務取締役  八木友作
 取締役    山元菊丸 岸 彦平 増永伊太夫
        杉本忠吉
 監査役    多田五七郎 三島真一 下河茂雄
 相談役    野坂鉄太郎 大井猪三次



 ○大正 8年 資本金を20万円に増資し第1回払込資本金125,000円となる
 ○大正13年 コンクリートタンクを築造し、脱脂大豆を醤油原料に初めて使用す
 ○大正15年 醤油造石税廃止となる
 ○昭和 5年 県第1回品評会にて名誉大賞授与
 ○昭和11年 第2代社長に岩井巌就任

 この間、経済界の混乱恐慌に遭遇しながらも、当社は大正末期・昭和初期と順調に基礎を築き、着実に進展をみてまいりました。

 ○昭和12年 日華事変が始まり国家総動員法が発令され、値上げ禁止令も公布される。
 ○昭和15年 第3代社長に野坂鉄太郎就任
 ○昭和16年 大東亜戦争勃発す、福井県醤油味噌統制会社設立される

 戦争体制に入り、原材料は依然として窮迫状態と高騰を続ける中で、物資の配給統制の規則はつぎつぎ公布され、統制経済の影響は日毎に深刻になってまいりました。

 ○昭和20年 空襲により全工場焼失す、終戦後丸岡町長侶工場を借受け取敢ず味噌の生産を開始す
 ○昭和22年 資本金80万円となる
 ○昭和23年 福井震災により全工場が倒壊、直に応急復旧し製品の出荷をいち早く始める

 この間、社命を揺がせた、たび重なる災難にも全社員一体となって復興にあたり、戦前以上にまで設備を充実させて、生産販売数量共に着々と成績を伸ばしてまいりました。

 ○昭和25年 原料製品共に統制撤廃となるや、味噌の生産を止め、醤油生産販売に専念する
 ○昭和28年 資本金400万円となる
 ○昭和29年 第四代社長に八木六蔵就任
  同年再建された福井県醤油工業協同組合の理事長に就任

 その後、近代的で衛生的な諸設備を率先して導入すると共に、販売力も強化してまいりました。

 ○昭和31年 NK式蛋白原料処理の分権を受け、NK缶を設置する
 ○昭和36年 資本金800万円となる、渋谷式の全自動瓶詰装置一式設置する
 〇昭和38年 豪雪のため莫大なる被害を蒙るこの豪雪を契機にして、工場の近代化を画期的に計ると共
       に、販路も広く、京阪神・中京方面へと拡大し、躍進してまいりました。
 ○昭和39年 川田式自動製麹装置完成
 ○昭和41年 資本金を1200万円にすると共に、圧搾製成工程の高能率化を計る
 ○昭和42年 社名を「フク醤油株式会社」に改称
 ○昭和44年 資本金1800万円となる
 ○昭和45年 北陸醤油生揚協業組合設立す

 この時期に至って醤油業界にも他産業同様、中小企業近代化促進による、構造改善が全国的に俄然活発化し、当社も県内の同志12企業と共に「企業規模の適正化による生産性の向上を効率的に推進し、その共同の利益を増進する」の目的の下に生揚までの協業化に踏み切り、北陸醤油生揚協業組合を、当社敷地内に設立いたしました。

 ○昭和48年 空前の脱脂大豆大暴騰、石油ショック
 ○昭和51年 食品衛生優良施設として知事表彰
 ○昭和52年 資本金3200万円となる
 ○昭和53年 全国醤油品評会に於て名誉会長賞受賞
       北陸初の屋外貯蔵タンク新設
       創立満60周年を迎える
 ○昭和54年 八木六蔵社長死去に伴ない第5代社長に高田脩就任。
 ○昭和55年 シブヤ全自動瓶詰機更新。
 ○昭和56年 豪雪のため仕込・配送共に支障を来して、多大なる被害を受ける。
       全国醤油品評会において食糧庁長官賞受賞。

 未曾有の豪雪を体験し、工場の雪に対する弱さを痛感すると共に、地下水位の低下及び公害問題、更には自動車による原材料搬入の困難などの諸事情から、いよいよ工場移転実現化へ向けての検討の時期を迎える。

 ○昭和58年 県内業界で初のオフィスコンピューターを導入し、事務の合理化を図る。
 ○昭和59年 シブヤ式全自動洗瓶機更新。
 ○昭和61年 福井市中新田町に新工場用地を取得する。
 ○昭和62年 新工場建設に関する諸認可を受け、7月工場着工に入る。
 ○昭和63年 新工場が落成し、フク醤油株式会社・北陸醤油生揚協業組合共に操業を開始する。
       創立70周年迎える。
 ○平成元年 屋外醗酵タンク50K2基増設。
 ○平成2年 醤油の価格改訂を10年7ヶ月振りに実施す。

 新工場に移って三年目を迎え、新鋭設備を充分に使いこなし品質の向上、生産の効率化に向け努力を重ね、その成果も年毎に満足し得るものになってまいりました。

 ○平成4年 6年中国杭州市より醤油味噌の技術指導の招請があり、当社も含め福井市4企業が訪中す。
 ○平成5年 杭州市の醤油技術交流団が来福。
       創立75周年の記念式典をユアーズホテルにて挙行す。
       自動洗瓶・瓶詰ラインを更新す。
       食品衛生優良施設として、(社)日本食品衛生協会表彰。
 ○平成8年 4月1日高田脩代表取締が勇退し会長に就任。
       第6代社長に八木裕二就任。
       全国農業協同組合連合会と売買契約を結び、福井県経済連に出荷を開始する。
 ○平成10年 創立80周年を迎える。    


顧みれば、この80年間に亘る社業の起伏消長は、幾多の激変に遭遇し、必ずしも平坦ではありませんでした。しかしこの永い伝統を受け継ぐ私共はその使命感を再認識し、今後共、熱烈な闘魂を捧げ、経営の合理化と品質の向上をモットーに精進してまいりたいと念じております。
 最後に先人達の努力に深く感謝致します。