味噌工業協同組合の歩み   醤油味噌工業協同組合の歩み
第1期〜第5期 第6期〜第10期 第11期〜第15期 第16期〜第20期 第21期〜第22期

 
▼第11期(昭和38年4月01日〜昭和39年3月31日)
  しょうゆの日本農林規格(JAS)実施さる
 昭和38年1月30日付農林省告示により“しょうゆの日本農林規格(JAS)”の実施が決定した。
 全国醤油工協連では同年1月30日の臨時総会にて、定款変更により事業内容に“醤油の検査格付事業”を追加、“登録格付機関・全国醤油工協組連合会”が発足し、本県には“しようゆ福井格付事業所”が設置されたが何れも実際の事業は昭和38年4月より実施さる。なお黒田定男氏が検査員に就任。主な内容は下記す。

●しょうゆの規格
  
《こいくちしょうゆ及びうすくちしょうゆ》
  色度:標準色18番以下 全窒素分:1.0%(容量)以上 緩衝能:1.6以下
   
《うすくちしょうゆ》
  色度:標準色18番以上 全窒素分:0.8%(容量)以上 緩衝能:2.2以下
  しょうゆの規格証票の様式及び表示の方法
 1、内円の外径は、外円の直径の4分の3とする。
 2、内円の縁の巾は、内円の外径の20分の1とする。
 3、JASの文字の高さは、内円の外径の10分の3とする。
 4、証票内の品名欄には濃口しょうゆにあっては「こいくち」、淡口しょうゆにあっては「うすくち」、溜しょうゆにあっては「たまり」と記載すること。
 表示の方法 1個ごとに見易い箇所に附すること。

 なお当時の検査手数料は石当り6円(1キロリットル 33.33円)であった。これから先、41年10月、45年7月と数回にわたり改正されるが、別表にまとめて記載する。
  役員の改選と委員選任
 役員の任期満了に伴い第10回定時総会(昭和38・5・26)に於て改選の結果、下記のとおり選出され就任す。
  理 事 長 八木 六蔵(福井醤油(株))
  専務理事 牧野忠兵衛(マルチュウ醤油(株))
  理  事 石塚 恒
       野村 重三
       黒田 武雄(東部醤油(株))
       大谷 尚 (員外・常勤)
  監  事 海崎藤三郎
       松村 季夫
 なお当日、総務、技術、福利厚生の3委員会の委員も併せ選出して、組合の円滑と充実を図ることとなる。
  塩の共同購入を開始
 塩の価格改定(値下げ)については、かねてより大蔵省・専売公社に対し再三陳情してきたが、漸く15屯を1車単位で購入する塩についてのみ、昭和38年7月1日(昭和38.5.24付官報にて告示)より、屯当り1,800円値下げすることが決定された。直ちに組合での共同購入につき協議の結果、組合員には従来の価格で納入、現物は各工場渡しとすることを決定した。専売公社では2駅扱いを認めないため、着駅より各工場までの運賃は割高となったが、差額1,800円で全醤工協連へ納入の賦課金(屯当り600円)及び組合手数料・配達運賃を賄うことで共同購入を開始した。代金納入は従来どおり福井塩業(株)に一任、屯当り460円(うちプール運賃430円)を支払う。(味噌組合も同時に実施)
 当時の塩の価格(屯当リ)は下記のとおり。
          組合の仕入価格  組合員の購入価格
    原 塩  12,700円  14,500円
    上質塩  13,200円  15,000円
 また当時の塩の共同購入比率は38年度(7〜3月)86%、39年度91%と当初の予想を上廻った。
  試験室設置の補助金決まる
 県に対し醸造試験場の設置につき、再三再四要望してきたが実らず、本年3月しょうゆの日本農林規格(JAS)の実施を機に、100万円の補助金交付が決定し、独自の試験室設置の計画が急速に進展する。
 その後、役員会、総務・技術両委員会を開催して、
  1、試験室のみの設置
  2、試験室を含む事務所の賃借(移転)
  3、借地による会館建設
などにつき協議したが、土地購入の上会館を建設したいとの強い要望により土地を物色することとなる。当初は駅周辺の土地を求めて交渉するも割高のため、市周辺数ヶ所を検分したが適地がなく、止むを得ず土地購入代金300万円を含む建設計画書(下記内容)を作成して臨時総会に諮ることとなった。
  1、資金計画(需要明細)
  2、資金調達方法(増資・借入など)
  3、増資の割当及び払込方法
  4、借入金の償還計画
  5、借入利息と賃借料の支出対比ほか
  会館建設と増資を決議
 前記の経過を辿り昭和38年9月11日駅ビル、菊の間に於て臨時総会を開催、会館の建設と出資金の増額(300万円)を満場一致で承認可決した。(土地購入は理事会一任)
 (註、味噌工協組は9月27日、会館建設と増資を決定した。)
 総会終了後、直ちに第1回建設委員会(両組合にて委員12名)を開き会館敷地(下記候補地のうち東明里町の土地)を決定した。
  1、福井市東明里町(湊小学校西側) 270坪(現在の会館敷地)
  2、福井市幾久町(国道ガード北側) 250坪
  3、福井市八ッ島町(日華化学北西) 150坪
 上土地を岡本、山崎両氏より譲受け、木村建築事務所に設計を依頼し、宮下工業所の施工によって“醤油味噌会館”の建設工事が開始された。
  昭和38年11月22日 地鎮祭
  昭和38年12月26日 1階スラブコンクリート打ち
  昭和39年 1月13日 2階  〃
  昭和39年 1月30日 土間コンクリート(排水)完了
 こうして会館完成への工事は着々と進捗した。
  第1回従業員ソフトボール大会の開催
 昭和38年8月25日、中藤島小学校グラウンドにて、第1回従業員ソフトボール大会が開催され、組合の福利厚生事業も年々充実されて行くことになる。
  ソースの共同購入決定
 本県の組合員は、その大半が生産小売であり、食用油・ソース・調味料等の販売を行っている関係上、当該商品の共同購入を検討、昭和38年9月頃より、名古屋・カゴメ(株)(本社)と取引条件等について交渉していたが、12月に至り漸く交渉がまとまって共同購入を開始することとなる。
  県内生産業者全員が組合加入
 本年度中に嶺南地区の3名(宇野英一・宇野正護・今井理一)が加入し、県内の醤油製造業者が全員組合員となる。(昭和39.3)
((註)味噌工業協同組合は昭和36年3月末全員加入、その後、新規・兼業3名加入)

 
 
▼第12期(昭和39年4月01日〜昭和40年3月31日)
  事務所移転と会館落成式典
 昭和39年3月に建設中の会館が完成して、4月に事務所を下記(現事務所)に移転する。
  福井市東明里町17号4番地(後に福井市学園2丁目605に変更)
(註、味噌工業協組も同時に移転、同一専従職員により業務を行う)
 昭和39年4月25日新装になった会館で、来賓をはじめ組合員多数の出席を得て、会館の落成式典は盛会裡に開催された。(当日の出席者は約80名)
 今日では、最近の林立する高層ビルとは到底比較出来るような建物ではないが、当時田園の中の一軒家として誕生した会館が、組合員の1つの拠点として議論の場となり、ある時は憩いの場所となって、その後の組合事業の促進充実に大きな役割を果して来たことは、何物にも換え難い貴重な“業界の城”のように思われる。また昭和39年5月27日の定時総会での“会館建設報告書”は大要次のようである。

  醤油味噌会館建設報告

◎土 地  259坪29      ¥3,202,190

◎会館延   60坪       ¥4,795,432
 (試験室・倉庫を含む)

◎試験器具(除試薬・消耗品) ¥1,902,500

   合     計     ¥9,900,122


  資金調達内訳
◎県よりの補助金       ¥1,000,000
◎共同施設資金        ¥1,430,000
◎銀 行 借 入金      ¥3,000,000
◎増資・自己資金       ¥4,470,122
 (醤油及び、味噌)

   合     計     ¥9,900,122
  カラメルの共同購入開始
 原資材の共同購入品目の拡大を図るべく昭和39年6月1日より(同年5月27日組合員に案内)カラメルの共同購入を開始、翌40年にはジュースの取扱いを始める。
  組合経費の負担比率を決定
 会館建設により、借入利息・減価償却など事業費も大巾に増加し、組合業務も同一職員により行われるため、更めて醤油・味噌両組合の共通経費の負担につき協議、下記のとおり決定した。
  醤油工業協組 70% 味噌工業協組 30%

 
 
▼第13期(昭和40年4月01日〜昭和41年3月31日)
  組合員より借入
 昭和39年9月よりの会館建設借入金返済に伴う運転資金の減少を打開するため、各組合員より建設資金(年利7%)の借入を決定。(昭和40.5.27開催の定時総会にて)
(註)醤油工協組では翌41年にも第2次借入決定(平等)。味噌工協組はランク別借入を決定。
  第3回“醤油の集い”開催
 “醤油の集い”も第3回をむかえ、昭和40年6月6日鯖江高校にて開催、参加者300名を超す盛会となった。なお当日は前回同様、参加された方々に県内産醤油(1.8kl入)を1本宛提供してPRを行う。
  量販店における醤油廉売を協議
 昭和40年6月の役員会の記録によると、量販店における大手メーカーの醤油廉売につき、度々協議を重ねていることが伺われる。生産者をはじめ関係諸氏の努力にもかかわらず、現在も依然として継続されていることは、業界にとっても誠に残念なことである。
  最低賃金の決定
 昭和41年2月1日(1月31日付官報告示)より醤油・味噌製造業にも最低賃金(1日460円)が適用されることになる。最低賃金法は昭和34年7月施行され、対象業種を選定して現在に至り、第2次重点対象業種(中小企業近代化指定業種及び輸出の多い業種88)を選定、40年4月より実施を促進して決定された。(醤油・味噌製造業も近代化指定業種のため対象となる。)
 その後の経済状勢の推移に伴い、度々改正されて今日に至っているが、極く最近の改正経過は次のとおり。
  福井県食料品製造業([]内は軽易業務の従事者、1時間当り)
   昭和50年2月27日 1日1,950円
   昭和52年1月 3日 1日2,400円 (1時間300円)[265円]
   昭和53年5月16日 1日2,600円 (1時間325円)[290円]
  設備近代化資金の借入ほか
 昭和39年頃より、設備近代化資金の利用者が増加、本県業界の設備の新設・更新がこの時期を中心に大巾に行われたものと思われる。また上質塩の名称が昭和40年4月より“並塩”に改称された。

 
 
▼第14期(昭和41年4月01日〜昭和42年3月31日)
  役員の任期満了による改選
 第13回定時総会(昭和41.5.20)に於て、理事及び監事の改選が行われ、下記のとおり選出された。
  理事長  八木 六蔵(福井醤油(株))
  専務理事 木村九郎右エ門
  理 事  山元 菊丸   
   〃   岡松 幸雄
   〃   野村 重三
   〃   吾田 英一
   〃   黒田 武雄(東部醤油(株))
   〃   大谷  尚(員外・常勤)
  監 事  古村 喜正 
   〃   黒田 一夫
 なお上総会にて評議員(9名)を併せ選出した。
  藤野義雄氏に記念品贈呈
 別記のとおり旧組合が昭和28年8月20日解散し、代表精算人に就任された藤野義雄氏(坂井醤油(株))のご尽力により、12年5ヶ月の永年にわたる精算事務が昭和41年1月14日漸く結了して登記を完了す。解散当時は、複雑な諸問題が山積し、到底精算結了を予想出来るような状態でなかっただけに、同氏の堪ゆまぬ御尽カによるものと只々頭の下がる思いがする。同氏の実直な性格と誠意ある説得によって、数多くの難問題を解決することが出来た。組合員一同、心から感謝すると共に、定時総会の席上、ささやかな記念品を贈呈して感謝の意を表した。なお同氏は昭和53年12月2日逝去された。
  黒田伝兵衛氏逝去さる
 組合創立と同時に専務理事に就任、組合運営の一翼を担って昭和35年3月までご尽力願い、当組合の確固たる基盤作りに幾多の功績を残された黒田伝兵衛氏が、薬石の効なく昭和41年8月13日逝去された。同氏は郷土史家としての著書もあり、業界異色の人を失ったことは誠に惜しまれる。
  キッチンカーの巡回
 全国醤油工協組連合会共催によりキッチンカー巡回の料理講習会を昭和41年11月1日より9日間実施した。全醤工協連からは新井主事が来県、料理実演には福井県調理師会の方々と前川紘子さんの協力を得て県内各地区を巡回し、11月10日小矢部市までキッチンカー廻送して、富山県組合に引渡しを終えた。
 県内初の巡回で成果の程が心配されたが、巡回各地で非常に好評を得て、予期以上の催しとなった。

  11月1日 福井市内一円
    2日  〃 西部地区(大和町・照手町)
    3日  〃 東部地区(日の出町・白ひげ神社)
    4日 休 み
    5日 松岡地区(町役場前・古市神社)
    6日 福井市北部地区(町屋県住・栗森団地)
    7日  〃 南部地区(左内公園・木田神社)
    8日 坂井郡一円(三国町公民館前)
    9日 武生・鯖江・今立地区
  ○武生地区 パレード実施・風船配付
  ○12日 調理師会・国体料理展示会に写真展示
  ○料理実演を福井テレビ放映

 
 
▼第15期(昭和42年4月01日〜昭和43年3月31日)
  組合マーク公募
 組合の業績も順調に推移し、組合マークの設定が議題となって役員会にて協議の結果、組合員のみでなく広く公募することに決定した。応募点数は100点以上の多きに達し、8月17日(役員会並に福利厚生委員会の折)、審査を行い入選作5点を選定して、直ちに全国醤油工協組連合会に送付、最終審査を依頼した。この結果、今立町・細井龍二氏の作品が選ばれ組合マークとして決定した。また同氏の表彰は9月30日開催された第7回工場従業員体育大会の折に行われた。
(組合マーク誕生により、マーク入王冠を11月より斡旋することとなる)
  ズルチンの使用制限
 厚生省は昭和42年3月より、各食品のズルチン添加の使用基準につき検討していたが、同年6月16日付官報に告示して、6ヶ月後の12月16日よりズルチンの使用規制することとなった。
 醤油の場合、ズルチン使用量は
  醤油1キログラムに付0.1グラム(石当り20グラム見当)
であったが、12月16日以前製造のものでも、実施時に店頭にある商品はすべて適用を受ける厳しい規制となった。また使用規制約1年後には、ズルチンの使用は全面的に禁止されることとなる。
  区画整理に伴う敷地の縮小
 西部地区の区画整理実施により、組合所有地も減歩されることとなり、5月の役員会及び総会に於て、下図によりその大要が報告されている。
  減歩前 259坪29(855.65平米)
   〃 後 202坪66(668.78平米)
  中央会より全国表彰
 昭和42年10月20日、三重体育館にて開催された第19回全国中小企業団体中央会全国大会に於て、優良組合として表彰を受け、小山省二会長より八木理事長に表彰状及び記念品を贈られた。
  醤油工場の工場診断
 県工鉱業課の指導により県内醤油工場の診断を実施することになり、10月下旬より中小企業診断員真柄、今尾両診断員が5工場を巡回指導、11月22日、診断に伴う県内業界の現状と今後の在り方等、経営に関する講習会を開催す。
  醤油の価格改定
 昨年末の原材料漸騰、人件費等諸経費の高騰に伴い昭和42年10月より、1.8リットルにつき20円(小売価格30円)の値上げを行うこととなる。
  交通傷害保険の取扱開始
 既に火災共済保険の取扱いは実施しており、全組合員・従業員及びその家族を対象に交通傷害保険の取扱いを決定、42年10月より取扱業務を開始する。また3月の役員会にて協議された“慶弔慰金”については本42年度より実施することとなる。
  第1回従業員麻雀大会の開催
 工場従業員の福利厚生については、体育大会、合同慰安旅行、ソフトボール大会など、数々の行事を実施してきたが、従業員の要望もあり、昭和43年3月第1回麻雀大会を開くこととなって、今後の福利厚生事業の1つに加え、現在まで毎年実施している。当日初勝利を獲得した北出吉夫氏(マルチュウ醤油(株))には古村委員長より優勝トロフィが授与された。

 
第1期〜第5期 第6期〜第10期 第11期〜第15期 第16期〜第20期 第21期〜第22期
味噌工業協同組合の歩み   醤油味噌工業協同組合の歩み